常磐植物化学研究所

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第2回 食素材の役割のお話~七味唐辛子(2)~

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知ってるようで知らない
食素材の役割のお話~身近な生薬や食品添加物~


(株)常磐植物化学研究所
顧問
鳥越 泰義

- 第2回 七味唐辛子 (2)-

 家康が江戸に幕府を開いたのは1603年(慶長8年)のこと。ミックススパイス・ 七味唐辛子が江戸の薬研堀で生まれた頃、3代将軍家光は幕藩体制を確立し始めていた。江戸は、武士や商人、職人、町人が一丸となって街造りに燃えていた。そこへ七味唐辛子の大切な辛味料であるトウガラシが入ってきたのである。最初は観賞植物であったが、次第に赤い果実の薬効が注目され始め、一味唐辛子がもてはやされた。中でも辛子屋徳右衛門の発案した七味唐辛子は爆発的な人気を博したのである。400年を過ぎた今、徳右衛門の10代目が浅草で"やげん堀"の名で店を構えて伝統を守り続けている。

 トウガラシは煎り方の強弱で焼きトウガラシと赤トウガラシの2種を配合している。トウガラシの起源はメキシコといわれている。世界の香辛料の双璧はトウガラシとコショウ。トウガラシはコロンブスがアメリカ新大陸からスペインに持ち帰ったとされている。これが後にイギリスやヨーロッパへ広がっていく。やがてポルトガルがスパイスの主導権を握ることとなる。バスコ・ダ・ガマはアフリカの南端、ケープタウン(喜望峰)を廻るインド洋航路を使って東洋へやってくる。トウガラシは南蛮(ポルトガル)船にのって鉄砲やタバコと共に長崎へ入ったのもいわれている。食生活で香辛料・トウガラシの占める重要さは、中国、韓国そして東南アジア各国の料理を思い出せば頷ける。

 最後に七味唐辛子の一成分であるサンショウについて触れてみたい。サンショウはワサビと共に日本を代表する香辛料である。薬用に使われるサンショウは種子や果柄を除いて果皮だけを集めたもので"山椒"と呼ぶ。この山椒を粉末にしたものが"粉ザンショウ"で、七味唐辛子や蒲焼に使われている。




掲載:
食品化学新聞 2009年(平成21年)6月18日