常磐植物化学研究所

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English

エキナケア(Echinacea)

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学名

Echinacea purpurea (L.) Moench
E. angustifolia DC.
E. pallida (Nutt.) Nutt.

科名

キク科

別名

Purple cone flower
ムラサキバレンギク
エキナセア
エキナシア

原産国

北アメリカ

使用部位

開花時の地上部(E. purpurea
根(E. angustifolia, E. pallida

成分

■多糖5)6)
 fucogalactoxyloglucans(MW 10,000, 25,000)
 acidic arabinogalactan(MW 75,000)
 4-O-methylglucuronoarabino-xylan(MW 35,000)

■カフェ酸誘導体
 echinacoside
 chicoric acid
 cynarin

■アルキルアミド
 echinacein
 echinolone

■その他
 精油
 イヌリン
 ベタイン
 アルカロイド

このうちチコリック酸(chicoric acid)はE. purpureaに、エキナコサイド(echinacoside)はE. angustifoliaE. pallidaに特有の成分である。またサイナリン(cynarin)はE. angustifoliaに特有な成分とされている7)hb03-01.gif

詳細

Last Update : 2013.10.07

sub_list.gif植物
 北米原産の耐寒性の、根茎をもつ多年草。真夏から初秋にかけて舌状花と、円錐形の筒状花からなるキク状の花を咲かせる。属名はギリシア語の「ハリネズミ」を意味するechinosに由来し、花の中央の円錐体のトゲだらけの部分にちなんでつけられた。
   薬用とされる3種のうち最も栽培が盛んなのはE. purpureaであり、研究も最も進んでいる。しかし3種は形態も成分も似ており、混同されることも多い4)

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sub_list.gif概要

~免疫システムに作用し身体の抵抗力を高めるハーブ~

 エキナケアは約400年もの間、アメリカ先住民の間で万能薬として利用されていた。当時の先住民は、エキナケアを特に歯痛、のどの痛み、風邪、伝染病などの治療に利用していたという。彼らの好んだ使用法は、その根を一日中なめることであったという。
 1870年代にネブラスカ州パウニー市の町医者H. C. Meyerは、先住民からエキナケアの有用性を学び、独自の製剤「Meyerの血液浄化剤」を使って治療を行っていた。彼は、それまでほとんど知られていなかったエキナケアを世に広めるために、自ら蛇毒に対する製剤の効果を大衆の面前で証明しようとした。その後、アメリカではエキナケアの注目が高まり、多くの医師がエキナケアを治療に使用するようになった。
 19世紀末、エキナケアはヨーロッパにも紹介され、栽培が始まった。戦後ドイツを中心に薬理研究が進められた結果、有効かつ安全な感染症の治療薬として認知された。免疫系を非特異的に刺激するため、体の防御機能が低下した場合にかかりやすい風邪や感染症、皮膚病治療や予防に、また傷の回復力を高めることに有効であると考えられている。現在、ヨーロッパ、特にドイツでは医薬品として流通しており、アメリカではハーブサプリメントの売上上位を占める地位を確立している。
 エキナケア種のうち薬用とされているのは3種類である。しかし、ドイツでは効果の認められた種と、さらにその使用部位も制限されている。E. purpureaの花卉の地上部、E. pallidaの根以外に認められていない。しかし一方、イギリスハーブ薬局方(BHP)ではE. angustifoliaの根を筆頭に収載するなど、各国で見解が異なる。いずれにせよヨーロッパでは安全で有効なハーブとして、広く日常的に用いられる点では一致している。

薬用ハーブの詳細を見る

このリンク先は、その植物の期待される効果を示すもので、
当社製品とは、一切関係ございません。

上記内容に同意する

sub_list.gif作用

  • 免疫賦活作用
  • 抗菌作用
  • 抗ウイルス作用
  • 抗炎症作用
  • 抗酸化作用

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sub_list.gif効能(生理活性機能)

 エキナケアの有効成分や作用メカニズムは未だ解明されていない部分が多いが、最も有効と考えられているのが多糖である。 E. purpureaよりフコガラクトキシログルカン(fucogalactoxyloglucan)と酸性アラビノガラクタン(acidic arabinogalactan)が単離されている5) 6)
 これらの多糖は強力に好中球やマクロファージなどの食細胞を活性化し6)7)、またマクロファージからの免疫応答物質であるインターロイキン(IL-1)の産生を促進することが報告されている8)
これらの効果によりリステリア菌(Lysteria monocytogenes)やカンジダ菌(Candida albicans)による全身性感染症への疾患を防止する効果や9)10)、インフルエンザ、ヘルペス等の抗ウイルス作用も報告されている11)
 この他にE. angustifoliaのアルキルアミドには抗炎症作用が確認されている12)。カフェ酸類にはUV照射によるコラーゲンのダメージを防ぐ抗酸化作用が報告されている13)

エキナケアはヨーロッパでは一般的なハーブであり、感染症や、皮膚疾患、風邪などに、薬剤や他のハーブと組み合わせて、抗生物質の量を減らす目的などに使用される。単独の製剤による臨床試験は意外に少ないが、風邪やインフルエンザに対する抵抗性を確認した報告がある。14)~24)

安全性_同意後

COMMISSION E:E. purpurea全草、E. pallida根がapproved herbとして収載されている。
ただし、結核、白血病、膠原病、多発性硬化症、AIDS、HIV感染、自己免疫疾患のような進行性疾患時、キク科の植物にアレルギーのある人、妊娠中は避けるべきとの提言がある。また、投与量によっては短期の発熱、吐き気、下痢が起こることがあるとの記載がある。
経口投与による試験でも安全性は高いとされている。高用量を静脈内に投与した場合にもマウス、ラットおよびヒトに対して無毒であることが明らかになっている1)2)

引用文献・参考文献

1) Lersh C.et al., Cancer Invest, 10, 343-348 (1992)
2) Mengs U.et al., Arzneim-Forsh. Drug. Res., 41, 1076-1081 (1991)
3) R. Bauer et al., ドイツ薬剤師新聞DAZ 134 Jahrg. Nr.2. 13. 1.1994, Prof. Dr. R. Bauer
4) R.Bauer., Toxicology in vitro,11(5), 669 (1997)
5) Wagner H. et al., Phytochemistry., 27 119 (1988)
6) Wagner H. et al., >Phytochemistry., 26 1989 (1987)
7) Stimpl M. et al., Infection and Immunity, 46 845 (1984)
8) Beuscher N. et al., Planta Medica,55660 (1989)
9) Roester J. et al., Int.J.Immnopharmacol. 13931 (1991)
10) Steimmuler C. et al., Int.J. Immnopharmacol. 15 605 (1993)
11) Waker A. et al., Planta Medica ,3389 (1978)
12) Barbara Muller-Jakic et al., Planta Medica ,6037 (1994)
13) Facino R. M.et al., Planta Medica ,61(6), 510 (1995)
14) Schoenberger D.et al., Forum Immunol. ,8, 2(1992)
15) Brunig B.et al., Zeitschrift Phytother ,13, 7(1992)
16) Scaglione F.et al., Internal Journal of Immunotherapy,11(4),163(1995)
17) Brinkeborn R. M. et al., Phytomedicine,6 1 (1999)
18) Hoheisel O. et al., Eur. J. Clin. Res.,9, 261 (1997)
19) Schulten B. et al., Phytomadicine,7, 31 (2000)
20) Berg A. et al., J. of Clin. Res.,1, 367 (1998)
21) Brinkeborn R. M. et al., Schweiz Zschr GanzheitsMedizin,10, 26 (1998)
22) Tan J. W. et al., Proceedings of the Echinacea Symposium in Kansas City,June3-5 (1999)
23) Melchart D. et al., Arch. Fam. Med.,7, 541 (1998)
24) Schulten B. et al., Arzneim Forsch,51, 7, 563 (2001)